坐骨神経痛ツボ

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坐骨神経痛に効くツボ を7つご紹介!スキマ時間にお試しを

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執筆:森 ジュンヤ(理学療法士、国立大学法人九州大学会員)
 
 
痛みやしびれがつづく、つらい坐骨神経痛。今回はそんな症状を和らげてくれるツボをご紹介します。
「 坐骨神経痛に効くツボ 」を理解して、スキマ時間を利用し、セルフケアに役立ててみませんか。この記事では、まず坐骨神経痛の概要を説明し、続いて坐骨神経痛の症状を和らげるツボについてご紹介します。
 
 

そもそも坐骨神経痛とは?

 
この項では、坐骨神経痛について、概要を説明します。
坐骨神経痛は、坐骨神経に何らかの障害があるために、腰から下半身にかけて生じる痛みやしびれ等の症状の事を意味し、病名ではありません。主な症状である痛みやしびれは、お尻から太ももの裏側にかけて、またふくらはぎの側面から裏面にかけて生じる事が多いようです。
 
腰痛とともに坐骨神経痛は、高齢者のQOLを損なう主要な症状の一つです。
 
さて、坐骨神経痛という言葉は聞いた事はあると思いますが、坐骨神経とはどんなものかご存知ですか? 坐骨神経だからお尻あたりの神経ではないかと思っている方も多いのではないでしょうか?
 
坐骨神経は、非常に太くて長い神経で、1メートル以上ともいわれています。腰骨の下から足の甲と裏まで伸びています。お尻、太もも、膝、ふくらはぎ、脛等下半身を貫いて走る太く、長い神経が坐骨神経です。 坐骨神経は、筋肉等により圧迫されやすいという特徴をもっています。
 
坐骨神経痛を引き起こす原因は、上述した筋肉の圧迫に加え、腰骨のトラブル、関節に生じる炎症等様々です。坐骨神経痛を起こす病気の代表的なものとしては、以下の3つになります。

  • ・腰椎間板ヘルニア
  • ・腰部脊柱管狭窄症
  • ・腰椎分離すべり症

 
腰椎間板ヘルニアは、脊柱を構成している椎骨の間にある円盤状の軟骨である椎間板が、飛び出し周囲の神経を圧迫します。椎間板はゲル状の柔らかい組織で、衝撃を和らげる為のクッション材として機能しています。
椎間板は、クッション部分の髄核とその周囲にある線維輪にわかれますが、無理な加重が加わると髄核が飛び出し、近くにある神経を圧迫し、痛みやしびれを生じます。
 
腰部脊柱管狭窄症は、加齢等の原因により、脊柱管(背骨にある筒状の空洞で、中に神経の太い束が入っている)の空洞部分が狭くなり、神経を圧迫することで痛み、痺れが生じます。
 
腰椎分離すべり症は、加齢、悪い姿勢、激しいスポーツ等の原因で、背骨が一部前後にずれることにより、周囲の神経が圧迫され、痛みやしびれを生じます。
 
 

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そもそもツボとは何でしょうか?

 
ここまで坐骨神経痛の概要について説明してきましたが、ここからは、ツボについて説明していきます。
 
私たちの多くに馴染みのある「医療」といえば西洋医学かと思います。一般的なクリニックや病院で取り組まれているのは、欧米を中心に発展してきた「西洋医学」といわれるものです。
 
西洋医学を一言で語るのは難しいですが、「科学的な根拠に基づいて治療法を発展させてきた医療」ということができるのではないかと思います。世界的にも医療の中心になりつつある考え方です。私たち日本人にとっても定着し、なくてはならないものになっています。
 
その西洋医学と対比されるように語られることが多いのが「東洋医学」です。古く中国やインド、朝鮮半島、そして日本などでも用いられてきた医学の考え方です。
 
近年では東洋医学も科学性を追求する流れになっていますが、もともとは長い歴史のなかで培われた経験に基づいて発展してきた歴史があります。西洋医学の歴史が300年〜400年程度といわれるのに対して、東洋医学の歴史は2000〜3000年という長い歴史があるといわれています。
 
今でも針・灸、そして漢方薬といった東洋医学の考え方は定着していて、最近では西洋医学と東洋医学のよいところを取り入れた治療を提供している医療機関もあります。
 
ツボはこの東洋医学のなかでも基本とされる考え方です。ツボの正式な名称は「経穴(けいけつ)」といいますが、今回は親しみがある「ツボ」という表現で進めていきたいと思います。
 
このツボは世界的にも認められています。伝統的な教科書などでは365か所あるといわれていて、現在のところ世界基準で認められているツボは361か所だそうです。ツボの魅力は「自宅などで気軽に取り組める」点ですね。ただし、いくつか注意しておきたいこともあります。以下を参考にしてください。
 
<ツボを利用するときの注意点!>
・つよく刺激しすぎないようにしましょう。「少し物足りない」と思う程度にしてきましょう。
・ツボを押す時間は、ある程度同じ時間に決めておきましょう。また食事や入浴の直前・直後、アルコールを飲んだ直後、スポーツをした直後は控えましょう。
・服装は、できるかぎりリラックスできるものにしましょう。パジャマなどの家着に着替えている時間帯がおすすめです。
 
 

ツボの押し方

 
ツボを押して刺激するときの方法についてまとめておきたいと思います。
 
「親指のはらの部分で押す」というのが基本です。セルフケアとして自分でツボを押すときは、片方の親指使って押します。このとき「心地いい」と感じるくらいのつよさで刺激するように注意してください。
 
よく「強ければ強いほどいい」と思ってグリグリと押しつける方もおられます。しかしこれでは、皮ふや筋肉を痛める原因になります。
 
ツボを押す回数と時間ですが、一押しに3秒くらい時間をかけてゆっくり押してあげます。
これを数回くり返して、ひとつのツボを押すのに1分くらい続けてあげると良いでしょう。
 
ツボ押しの時間も決め、1日に2回(できれば午前と午後)にわけて行うことが理想です。
 
何度かツボを刺激していくと、からだが温かくなってくることを感じるでしょう。ツボ押しは1回で大きな効果が現れるというものではありません。もちろん個人差もありますが、一般に2ヶ月くらいは継続する必要があるといわれています。
 
 

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坐骨神経痛に効果のあるツボとは?

 
それではいよいよ“坐骨神経痛に効果がある”といわれるツボを7つご紹介します。
 

崑崙(こんろん)

このツボは、ちょうど外くるぶしの真後ろで、アキレス腱のくぼみを感じれるところにあたります。
 
 

附陽(ふよう)

外くるぶしからおよそ指4本上にいった場所にあります。崑崙(こんろん)の斜め上方向にたどった場所です。
 
坐骨神経痛ツボ1
 
 

承扶(しょうふ)

このツボは、お尻と太ももの境目に位置する場所です。お尻のシワがありますが、そのシワの真ん中にあたる部分です。
 
 

殷門(いんもん)

ひざの裏の中央と太ももの裏の付け根の中央を結んだ線のほぼ中心に位置する場所にあります。
 
坐骨神経痛ツボ2
 
 

委中(いちゅう)

膝の裏側にシワがあります。そのシワの真ん中にあります。
 
 

承山(しょうざん)

ふくらはぎの中心から下に向かってすすんでいくと、ふくらはぎの筋肉からアキレス腱に変わる境目があります。ここにあるのが承山とよばれるツボです。
 
坐骨神経痛ツボ3
 
 

湧泉(ゆうせん)

足裏はさまざまなツボが集中している場所です。湧泉(ゆうせん)は、土踏まずの少し上の真ん中あたりにあり、足の指をまげたときにできるくぼみに位置するツボです。
 
坐骨神経痛ツボ4
 
 

重要な事項

 
セルフケアとして気軽に取り組めるのが魅力のツボですが、あくまで補助的なものです。医療機関を早めに受診し、医師の指示に従って、治療を進める事が重要です。またツボを長くやっているが効き目がない、症状がひどくなる、といった場合はすぐに中止し、医師に相談するようにしましょう。
 
 

まとめ

 
ここまでご説明した内容のポイントを以下に記載しますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

  • ・坐骨神経痛は、腰から下半身にかけて生じる痛みやしびれ等の症状を示す語で、病名ではない。
  • ・坐骨神経は、腰から下半身にかけて走る長くて太い神経。
  • ・坐骨神経痛を起こす代表的な病気として、腰椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症がある。
  • ・ツボは、東洋医学の基本。自宅等で気軽に取り組める点が魅力。
  • ・ツボの押し方は親指の腹の部分で、強くならない程度に押す。
  • ・1日2回程度、1回3秒程度で、一つのツボを押すのに数回繰り返し、1分程度続けるのが良い。
  • ・坐骨神経痛に良いと思われるツボには、崑崙、附陽、承扶、殷門、委中、承山、湧泉がある。
  • ・ツボはあくまでもセルフケア。医療機関を受診し医師の指示に従い治療をすすめるのが最優先。

 
 
【参考文献】
*佐藤一美(著):痛みをとる・病気にならない 体に「効くツボ」大地図帖. 永岡書店 . 2011
*坂口俊二, 寺田和史:ツボ刺激によるセルフケアプログラムが肩凝り感やストレスホルモンに及ぼす影響, 関西鍼灸大学紀要 ,Vol.2, p30~36, 2005
*川喜田健司他:鍼灸臨床最新科学 メカニズムとエビデンス. 医歯薬出版. 2014
*守口龍三:図解 東洋医学 人体の経穴[ツボ]と経絡. ナツメ社. 2014
*第二次日本経穴委員会:詳解・経穴部位完全ガイド 古典からWHO標準へ. 医歯薬出版株式会社. 2009
鈴鹿医療科学大学:経穴とは何か
 
 
<執筆者プロフィール>
森 ジュンヤ(もり・じゅんや)
理学療法士国家資格取得。急性期総合病院、回復期リハビリ専門病院、訪問看護ステーションにて臨床経験を経る(現在10年目)。専門分野は保健衛生分野。現在は医療関連記事、動物臨床医学、保健衛生学についての執筆を行う。
 
 

編集部オススメリンク

 
関連した情報として以下のようなものがありますので、ご参考にしてください。
 
厚生労働省が腰痛対策について説明したページである腰痛対策 – 厚生労働省は、坐骨神経痛などについて分かりやすくまとまっています。

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